「見られる」よりも「見れる」が正しくなった!?
言葉は時代と共に変わって行きます。
例えば、「やばい」は、昔はヤクザが使う特別な言葉でしたが、今では若者が多く使っています。
最新の情報が文化庁から発表になりました。
その内容を見てみましょう。
言葉は時代と共に変わります。
辞書に書いてある言葉が正解と思っている方もおられますが、辞書は既にある言葉をまとめたもの。
言葉を作っているのは、辞書ではなく人だと言うことを先に述べてから調査結果を見て行きたいと思います。
2016年9月21日文化庁発表の2015年度の調査結果
※従来から使っていた方を太字にしています。
見られる/見れる
見られる ・・・ 44.6%
見れる ・・・ 48.4%
両方使う ・・・ 6.5%
もはや「花火が見れた!」が正解で、「花火が見られた!」の方が間違っているような扱いと言うことです(汗
食べられない/食べれない
食べられない ・・・ 60.8%
食べれない ・・・ 32.0%
両方使う ・・・ 6.8%
これまで通り「もう食べられない!」と言っていいようです。
ちなみに、19歳以下の場合、「食べれない」が48.8%なので、常識は近々変わる可能性が高いです。
来られますか/来れますか
来られますか ・・・ 45.4%
来れますか ・・・ 44.1%
両方使う ・・・ 9.8%
ほぼ半々と言った印象。
確かに「来れますか」も使う気がします。(筆者40代)
考えられない/考えれない
考えられない ・・・ 88.6%
考えれない ・・・ 7.8%
両方使う ・・・ 2.9%
これは、あまり迷いなく「考えられない」を使って良さそうです。
出られる?/出れる?
出られる? ・・・ 44.3%
出れる? ・・・ 45.1%
両方使う ・・・ 10.2%
「出れる?」の方が優位。
誰かを買い物に誘う時など「出れる?」と言った方が自然と言いう時代がすぐそこまで来ています。
その他、本来の意味と変わってしまっている言葉があります。
※複数回答あり
鳥肌が立つ
素晴らしさに鳥肌が立つ ・・・ 62.0%
恐ろしさに鳥肌が立つ ・・・ 56.6%
良いことに「鳥肌が立つ」はこれまで使わなかったのですが、過半数を超えた時点で、どちらの意味で使っているのかこちらの意図が相手に伝わらない可能性が出てきます。
褒めているのにけなしていると取られたりとか・・・
今回発表の調査にはありませんでしたが、「的を射る/得る」と言う言葉があります。
昔は「的を得る」が正しいと言われ、使われてきました。
最近では的は射るものだろう、と「的を射る」が正しいとされ、「的を得る」と言うと誤用だと指摘されることもあります。
ところが、昔から「当を得る」と言う言葉はあり、「道理にかなっている」と言う意味です。
また、明治時代には「正鵠を射る/得る」と言う言葉がありました。
「射る」「得る」どちらも使いました。
「正(せい)」も「鵠(こく)」も的の中心と言う意味です。
「鵠(くぐい)」は白鳥と言う意味もあります。
白鳥は獲物だったので、射てもいたのでしょうが、得てもいたのでしょう。
「正鵠を射る/得る」の意味は、「要点をうまく捉えている」と言う意味です。
「正鵠」=「的」なので「的を射る/得る」と言う言葉になったのだと思われます。
「道理にかなっている」と言う意味の場合は、「当を得る」。
「要点をうまく捉えている」と言う意味の場合では、「的を射る/得る」(両方OK)。
しかし、色々混同してしまって、「的は得るものだ」と言う意見が多く、「的を得る」だと間違いだと思われ、不勉強だと思われる場合があります。
最近では辞書にも「的を射る」だと書かれています。
時には「的を得る」は誤用だと書かれていることもあります。
色々と紐解くと実は的は射ても得てもいいはずなのです。
そんな話もあって、最近の研究では「的を得る」の方が正しいのではないか、と言う人もいます。
もうめちゃくちゃです。
どちらでもOKとしてくれないと、どちらも使えないと言う最悪な状況となっています。
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