【トラウマ】40代以上の人のトラウマ「パンをふんだ娘」
40代以上の人がトラウマになって、食べ物を大切にしてしまう話があります。
忘れている人ですら、そのタイトルを聞いたら思い出し、「うああ~」となること必至です。
パンをふんだ娘とは
パンをふんだ娘とは、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの創作童話です。
いわゆる、「アンデルセン童話」です。
ヒロインはインゼル。
わがままな娘です。
きれいなドレスと靴がが汚れることを嫌い、水たまりにパンを投げ入れ、それをふんで渡ろうとしたことを神様にとがめられ、パンをふんだ罪で地獄に落とされると言う聞いただけでトラウマな話です。
なぜトラウマになったのか
アンデルセン童話になったくらいでは、トラウマになりません。
この話が1975年にNHKで影絵の人形劇(こどもにんぎょう劇場)として放送されました。
そのオープニングからして怖い音楽と怖い歌詞で子供が見たら印象に残りすぎます。
パンをふんだ娘(前編) 初回は1975年11月12日放送
パンをふんだ娘(後編) 初回は1975年11月19日放送
パンをふんだ娘のあらすじ
パンをふんだ娘のあらすじをお知らせします。
ある村に、インゲルと言う美しい少女が住んでいた。
インゲルは日ごろからわがままで、家の手伝いなど全くせず、虫にピンを指して殺したりしていた。
そのうち、インゲルはその美しさから裕福な家庭の養子となった。
インゲルはきれいな服を着て、おいしい食事をして、贅沢の限りを尽くした生活をしていた。
元々高慢な性格だったインゲルの傲慢さに拍車をかけることになった。
ある日、インゲルは里帰りをすることになり里親からお土産にパンを持たせられる。
村に帰っても昔の近所人間にきれいになった自分と一番豪華なドレスを見せびらかせるだけだった。
家へと歩く途中で真っ黒になって働く実の母を見かける。
インゲルは貧乏で、ぼろぼろの服を来て働く母を見て踵を返す。
こんなお母さんを見たくなかった、と。
その帰り道、インゲルは雨上がりに出来たぬかるみに片足突っ込んでしまう。
自分のきれいな靴とドレスを汚したくないと思いお土産のパンをぬかるみに放り投げる。
そのパンの上に足を乗せた瞬間、パンはぬかるみの底へインゲルを乗せたまま沈み、二度と浮かび上がることは無かった。
沼の底では沼女が毒を煮ていた。
インゲルはかえると蛇に絡まれて、ドレスのひだと言うひだにかえるに入られ、髪に蛇が大量に絡まり恐怖で動けなくなっていた。
パンは足から外れず、これも動けなくしていた一因であった。
そのうち、沼女に毒を受け取りに来た魔女にインでルは見初められ、地獄の底に連れていかれる。
地獄の底では罪を犯した人間が何千人も石にされていた。
インゲルも蜘蛛の糸に巻かれて石になる。
動けなくなり、空腹で何日も過ごした。
インゲルのことを聞いた村の子供が「インゲルがかわいそう」と涙を流し、その涙が地獄の底のインゲルに届いたとき、インゲルは灰色の小鳥の姿で地上に引き上げられる。
インゲル(みすぼらしい鳥)はどんな小さなパン屑であっても粗末にせず、少しだけ食べて、そのほとんどを他の鳥に分け与えた。
灰色の小鳥が他の鳥に分け与えたパン屑の量があの時に踏んだパンと同じ量になった時にインゲルの罪は許され、きれいな鳥となり天に昇る。
この話の怖い点(NHKのにんぎょう劇場バージョン)
まず怖いのは、音楽。
山田美也子による主題歌(作詞:北沢杏子、作曲:越部信義)がトラウマになっているという視聴者が多いです。
その歌詞も子供にはきつすぎました。
「パンをふんだ罪で地獄に落ちた・・・」など。
NHKのにんぎょう劇場の話は、本家のアンデルセン童話と大筋では話が同じです。
しかし、細かな点で省かれたりしていて、その怖さを増しています。
インゲルはわがまま。
わがままな子供はたくさんいます。
そんな中、理由もなくわがままで、虫にピンを指して殺して遊ぶ・・・40年も前にこれは猟奇的すぎます。
「わがまま」のお手本がどこかにいたはずです。
母子家庭で、母親は他の家の掃除などをして生計を立てます。
そんな貧しい家庭で、家のことも母のことも全く気にかけない子供がいるでしょうか!?
インゲルに何があったのか、なぜこのような性格になったのか一切語られず、闇を抱えています。
原作では、インゲルはお金持ちの家に奉公に出されるのですが、NHKにんぎょう劇場版では、養女として引き取られます。
この時、インゲルは母親と離れることに全く不安を感じません。
お金持ちの家に行った方が贅沢ができる、と子供とは思えない割り切りを見せます。
インゲルは実の母親の目の前で沼に沈みます。
母親は沼の縁で泣き崩れますが、助けにはいきません。
親ならば自分の身のことを考えず沼に飛び込むと思うのですが・・・
原作では、沼に落ちたインゲルの事を村人が噂します。
母親は悔み続け亡くなります。
NHK版ではこういった描写が一切ない。
インゲルはパンをふんだけれど、懲らしめる目的で沼に落とされたのではなく、救いが全くない。
地上に戻されたインゲルは、人間としてではなく、みすぼらしい鳥として戻される。
羽もボロボロ。
鳴き声も奪われ声も出せない。
ここでもまだ許されていない。
パンくずを拾っては自分は最小限で、仲間の取りに分け与え続けるみすぼらしい鳥。
分け与えたパンくずが、インゲルの踏んだパンと同じ量になったとき、インゲルはきれいな鳥になれる。
海に潜ったり、太陽を目指して飛んだりできるが、結局人間には戻れない。
原作では天に召されるが、NHK版では最期があやふや。
母の愛も描写が少なく、インゲルの性格の曲がった理由などの描写もない。
一度の過ちで結局命を奪われ、一切の救いがない。
子供には救いがない話でトラウマになる要素が満載となっています。
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