家庭でおいしいカレーを作るための方法の嘘と真実
各家庭に味があるカレーですが、「おいしく作る方法」として知られる方法があります。
ところが、実は間違った常識もたくさんあります。
ここで確認してみましょう。
複数のルーを混ぜるとおいしい
複数のルーを混ぜると食品メーカーが作れないようなおいしいカレーになる・・・というのは嘘!
食品メーカーは、一つのカレーを作り上げるまでに膨大な試行錯誤を繰り返します。
人気店を食べ歩いて調査したり、様々な食材を混ぜ合わせて味を作り上げたり・・・
そうして出来上がったのがそれぞれの製品です。
それを素人が適当に混ぜ合わせて、元々のカレーよりもおいしくなる確率は限りなくゼロに近いです。
「自分でアレンジをしたという満足感」しか元々のカレーよりも良くなったものはないのです。
現実的に元々のカレーよりもおいしくする方法があります。
元々のルーの味を壊すことなく、さらにおいしくする方法です。
そちらをお試しください。
カレーにインスタントコーヒーを混ぜるとコクが出る
カレーにインスタントコーヒーを混ぜるとコクが出るは「本当」。
ただし、必要かどうかは疑問です。
コクが足りないカレールーだとしたら、人気が出ず商品としてすぐに消えていきます。
インスタントコーヒーを入れることでさらにおいしくなるのならば、さらにコクを足したものが商品となるはずです。
それほどまでに、食品メーカーのルーに対する研究は深いところまでされているのです。
2日目のカレーがおいしい
2日目のカレーがおいしいのは「本当」です。
ただし、食中毒になる可能性があります。
注意が必要です。
2日目のカレーがおいしい理由は、「味が落ちつくから」は嘘です。
味が落ちつく・・・って曖昧すぎます。
肉、野菜、香辛料などからでるグルタミン酸(コンブ、チーズ、緑茶、シイタケ、トマト、魚介類などに多く含まれる)や果糖などの成分がルーに溶けだします。
グルタミン酸はうまみ成分と言われています。
これらによりカレーはおいしくなります。
また、じゃがいも等から出るでんぷんがとろみがつきます。
とろみがつくことで舌にしっかり残り、グルタミン酸等のうまみを感じやすくなるようになるのです。
2日目のカレーで注意したいのが「ウエルシュ菌」です。
自然界のいたるところに当たり前にいます。
ジャガイモやニンジンなどの根菜類に付着しているケースがあります。
牛、豚、鶏など動物が保菌していることもあります。
これらはすべて、カレーの具として定番です。
ウエルシュ菌は、100度で4時間加熱しても死滅しません。
逆に、43度~47度で最も増えやすく、37度の時に最も毒素を多く出します。
1日目で食べた後、常温保存していると、その間にウエルシュ菌が爆発的に増えてしまいます。
菌が増える条件と合致していることが多く危険と言われている理由です。
カレーを保管するときは、粗熱を取った後、冷蔵庫で保管するようにしましょう。
カレーにウスターソースを入れるとおいしくなる
カレーにウスターソースを入れるとおいしくなると言うのは本当です。
ウスターソースは、野菜や果実などのジュース、ピューレ等に食塩、砂糖、酢、香辛料等を加えて調整、熟成させた液体調味料です。
野菜や果実などの果糖などを甘み、うまみとして感じることからおいしくなります。
ただ、入れすぎると味のバランスが壊れます。
元々調整されたカレールーの味を超えることは難しいです。
「ウスターソースを入れた方がおいしい」となってたくさん入れてしまうと、偏った味覚になる可能性があります。
リンゴとはちみつを入れるともっとおいしくなる
ハウスバーモントカレーの影響で、リンゴと蜂蜜を入れるとカレーはおいしくなると思っている方がおられます。
これまでにお知らせしたように、りんごやはちみつから出る糖分を「甘み」とか「うまみ」と感じるからです。
リンゴと蜂蜜に特別な意味はありません。
カレーをおいしく食べるための意外な作り方
これまでにお知らせしてきたように、カレーをおいしく感じる理由は旨煮を感じるエキスの要素と、そのエキスを感じやすくするとろみの要素です。
つまり、それを初めから入れてカレーを作るのが一番おいしい作り方となります。
では、何を入れるのがいいのでしょうか?
肉を入れます。
牛肉でも豚肉でも鶏肉でもかまいません。
肉を入れます。
野菜を入れます。
じゃがいもやにんじん、たまねぎを入れます。
ルーは1種類のみ使います。
お気づきでしょうか?
結局はルーの箱に書いてある作り方を忠実に守るのが一番おいしい作り方になるのです。
ぜひ一度騙されたと思って、ルーの箱に書かれているそのままの方法でカレーを作ってみてください。
きっと、家族が驚くカレーの味になることでしょう。
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