【日常の常識】「熨斗(のし)は付けますか?」と聞かれた時の正しい回答とは
デパートやお店で贈り物をするとき、「熨斗(のし)はお付けしますか?」と聞かれることがあります。
「とりあえず、付けておけば失礼はないだろう」と思ってしまいますが、実はのしには意味があります。
ここで正しく知っておけば、次回からは自信をもって答えられるようになります。
のしが必要な時不要な時
まずは、のしが必要な時とのしが要らないときを知っておきましょう。
のしが必要な時
- 誕生日
- 就職祝い
- 結婚
- 出産
- 還暦
- 謝罪
のしが不要な時
- お葬式
「お見舞い」はこれまでは、のしを付けていましたが、最近ではのしを外しています。
理由は下にお知らせします。
そもそも「のし」とは
そもそも、熨斗(のし)とは、何なのか。
熨斗とは、元々これのことです。
この紙のことを「のし」だと思っておられる方も少なくありません。
紙は「熨斗紙(のしがみ)」と言って、熨斗が付いている紙です。
ちなみに、赤白のひもは「水引(みずひき)」と言って簡単に言うと飾りです。
熨斗(のし)とは、元々アワビです。
アワビをひも状にスライスします。
スライスしたアワビを干して、伸ばしたものが「延し(のし)アワビ」です。
延しアワビが、だんだん「のし」と呼ばれるようになりました。
アワビ入手に命懸けなので高級品でした。
天皇に献上される高級品でしたが、腐るのでのして干すことで日持ちさせることができるようになりました。
延しアワビも高級品なので、裸で持たずに紙で包んで献上しました。
それがイラスト的になったのが、このマークです。
真ん中の黄色いのが「のし」です。
のしとは、「相手を敬う気持ち」、「自分に出来得る限り最大の心を尽くす心」です。
誕生や就職などの祝い事だけでなく、謝罪の時などものしをつかいます。
のしが不要な時
熨斗(のし)は人の心です。
お葬式にも心を尽くしていいのでは、と思われるかもしれません。
熨斗とは、元々アワビです。
お葬式とは、殺生をさけるもの。
お葬式では仏教の教えで、動物を殺生したモノを食べたり、出したりしないのです。
仏教とつながりの強い、精進料理は肉や魚を使わない料理であることもご存じかと思います。
そのため、お葬式にかかわる部分では、熨斗が要らないと言うか、使ったらだめなのです。
入院に関しては、最近熨斗が使われなくなってきているのは、「のし」=「延ばす」が語源なので、「入院がのびる」と考え、熨斗が避けられています。
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