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人材派遣会社がピンハネできなくなってきて、儲からない理由

人材派遣会社は、まだまだちゃんと理解している人が少ないです。

派遣会社の人間すら理解していないことも多いほどです。

最近はそれほどピンハネできないのに、労働者からはピンハネビジネスだと言われる理由もお知らせします。

派遣会社は大きく分けて2タイプある

派遣会社は・・・と言うよりは、働き方には2種類あります。

いつも一緒に語られるので、話がややこしいです。

 

  • 登録型派遣
  • 正社員派遣

 

似ているようで、全然待遇が違います。

派遣会社の種類

 

登録型派遣

事務の女性などに多いのがこのタイプです。

一般派遣と言い換えても間違いはないと思います。

派遣先を先に決めて、派遣されている間だけ派遣元会社に雇われます。

逆に言うと、その派遣先での業務が終わったら派遣元会社からも雇用を切られます。

事務派遣は一般派遣が多い

次に新しい会社に行くとしても、新しく契約を結ぶ形となります。

給与はあり、社会保険などもありますが、ボーナスはないことが多いです。

 

派遣元会社の収益構造はこんな感じです。

事務派遣の利益と原価

昔は派遣先企業からもらうお金は時間単価3000円くらいでした。

最近では叩きに叩かれ、時間単価2000円くらいまで下がっています。

 

一方で労働者に払われる賃金はほとんど変わっていません。

概ね1400円~1500円程度です。

若干下がった職種もありますが、不人気の職種では逆に上がっています。

収益の7割が労働者(派遣者)に払われます。

 

ほとんどの派遣者が考えていませんが、社会保険料や雇用保険を払います。

全ての社員には有給休暇の権利がありますので、この分の引き当て費もプールしておかないといけません。

さらに、社員の労務管理などにもコストがかかります。

新しい派遣先を探す営業もコストがかかるし、新しい人を募集する採用コストもかかります。

会社の利益は大体5%~10%くらいです。

 

こんなところが、一般派遣が多いです。

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正社員派遣

正社員派遣は、技術者などに多いタイプです。

特定派遣と言い換えてもいいと思います。

派遣会社が社員を正社員として雇います。

エンジニア派遣は特定派遣

業務があるときに派遣先会社に派遣されるわけですが、これは「派遣先会社から」で言えばです。

派遣会社内で言えば「配属」です。

ある派遣会社での業務が終了しても、次の配属先を派遣元会社から指示されます。

配属されない場合は、自宅待機か、営業所で待機、もしくは営業動向などして会社の業務をすることが多いです。

派遣(配属)されていない間も給与は支払われます。

また、ボーナスもあります。(年棒制の会社もあり、ないこともあります。)

 

技術者派遣は一般派遣と比べて単価が高いので、派遣会社は儲かると思いきや、原価と利益はこちらです。

技術者派遣の原価と利益

こんなところが特定派遣の会社

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一般派遣と比べると、賃金として支払われる率が低そうです。

(一般派遣70%、技術者派遣62.9%)

ところが、技術者派遣の多くは正社員で雇用しているので、賞与もあります。

賞与用のお金が湧いて出るわけではありませんので、派遣先からもらう費用の中から割り振りします。

賞与引当金8.6%も賞与時期にもらうと考えれば、以下のようになります。

(一般派遣70%、技術者派遣71.5%)

 

技術者は派遣先からの単価が高い半面、派遣に出ている技術者の給与も高いです。

社会保険、雇用保険は収入に対する割合なので、当然高くなります。

また、有給休暇の引き当て金も高くなります。

採用コストは本当は一般派遣の人よりも集めにくい分コストが高くなります。

ふたを開けてみると、派遣会社の利益は、一般派遣とそれほど変わらず5%~10%です。

 

 

ピンハネとは

派遣業界は「ピンハネ」と言う言葉がよくつかわれます。

「ピン」とは「1」を表しますので、全体の10%を利益として取ると言うことです。

リーマンショック以前は、ピンハネ(10%)どころか20%~30%程度ハネていました。

今となっては昔の話です。

利益で10%出せたらかなりのやり手だと言えます。

 

なぜ中抜きビジネスと評判が悪いのか

一般の企業での正社員は、会社が1人の社員に払っているお金についてあまり考えません。

例えば、給料が20万円/月の場合、自分にかかっているお金は20万円/月だと思っています。

ところが、実際には社会保険や雇用保険など会社が払っていますので、16%程度かかります。

ボーナスはどこかから湧いて出てくるくらいに思っている方もいるので、月々の引き当てが必要です。

月給20万円の人は大体2倍くらいのコストが必要と考えるといいと思います。

 

こんなことを考えているのは経営者だけです。

社員は、全体の利益など考えないし、知らないので、自分の給与だけを見て安い、高いを考えます。

 

一方、派遣会社の方は社員を安く維持できるかと言えば、結局それほど変わりません。

人によっては、自分の派遣料を知っているので、その金額と今月の給与の額だけを比較します。

4割くらい少なくなるはずですので、すごくピンハネされているように感じるのだと思います。

ただし、自分の収益を知ってしまうので、「自分はあまりもらっていない」⇒「ピンハネがすごい」と言う印象を持つことが多いです。

 

これは派遣元の会社が悪いと言えます。

要するに社員教育が十分でないのです。

自社のビジネスの収益構造はしっかり開示して説明すればいいのでしょうが、「ピンハネ」していると言う罪悪感からか、結構秘密に秘密にされる傾向があります。

派遣会社でもちゃんとした会社はここら辺をしっかり社員に説明しているので、こういった不満もあまり出ませんし、他の会社と同様に自分の給与を上げるために何をすべきかを考えて行動しています。

 

一般の会社でも各社員が稼いだお金を全部社員に渡していたら、1か月で会社はつぶれます。

派遣会社も同様に売り上げの一部を堂々と取ればいいのだと思います。

派遣会社の人間もまだまだ理解が浅く、変なうしろめたさを持っているから業界全体が変な方向に進んでいるように思います。